現在日本には様々な心理療法があり、それぞれに得意分野があります。
今回はそれらの心理療法がなにを目的としているのか、書いていきたいと思います。
こんなにある心理療法
あまりにもたくさんあるので、有名どころと、わたしが詳しいセラピーをピックアップしてみます。
- 催眠療法(ヒプノセラピー)
- 認知行動療法
- 森田療法、マインドフルネス療法
- 精神分析、交流分析
- 箱庭療法
- 来談者中心療法
- 対人関係療法
- ナラティブセラピー
- 家族療法
- ブリーフセラピー
- ゲシュタルト療法
- フォーカシング
- 解決志向アプローチ
- 神経言語プログラミング(NLP)
- 思考場療法(EFT)
- 眼球運動統合療法(EMDR)
etc.
ざっと書き出しただけでもこれだけあります。
もう何が何だか分からないですね。
心理療法の二つのアプローチ
心理療法は心のお悩を解消することが目的ですが、これを達成するには大きく分けて二つのアプローチがあります。
- 問題そのものを無くす。
- 問題は依然としてあるが、何とかやっていけるようにする。
まずは1.から見ていきましょう。
問題症状を除去する
「問題そのものを無くす」というのは、セラピストの介入により問題症状がなくなるということです。
きっとお悩みを抱えている人はこれを一番に望むでしょうし、わかりやすいです。
ミルトン・エリクソン医学博士も患者を治療するとき、原因はひとまず置いておいて、症状だけを治すことが多かったそうです。
例えば慢性に的な頭痛をもっている男性に、「子供の頃の頭痛をいつまであなたは持ってるおつもりですか?」と問いかけ、大人の男性が子供の頭痛を手放せるように促しました。
問題を受け入れ、乗り越える
2.の「問題は依然としてあるが、何とかやっていけるようにする」というのは、症状自体は完治しないが、症状があることに対する心的なストレスを軽減したり、無くしたりすることです。
エリクソン博士の逸話でこんなものがあります。
エリクソン博士のことを尊敬するある学生が身体的な障害をもっていました。
彼は障害者である自分は他人より価値が劣っているのではないかと思っていました。
そんな彼にエリクソン博士は、「障害者の私たちはこちらのエレベーターでいきましょう」と言いました。(エリクソン博士は足が不自由で杖をもって歩いていました)
これを聞いた学生は、尊敬するエリクソン博士と自分は同じものを共有していると感じれるようになり、自尊心をふたたび取り戻しました。
セラピストのできることとできないこと
いくら天才セラピストのエリクソン博士でも、救世主ではないので奇蹟は起こせません。
彼ができたことは学生の障害を治すことではなく、それをポジティブに受けとれる可能性を示唆することでした。
まとめ
心理療法は改善できる症状については、症状を軽減したり無くしたりします。
改善できない症状のときは、認識を変化させることにより、それがあっても生きていけるように、心の負担を軽くします。
この二つが心理療法の目指すところです。