セラピーを無駄にしないために受ける前に知っておいた方がいいこと

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セラピーを受けると数日間は調子が良いけど、その後、一時的に気分がひどく落ち込む、いわゆる「揺れ戻し」がおきることがあります。

これには「ホメオスタシス」という心理作用が働いている可能性があります。

ホメオスタシス(恒常性の維持)

「ホメオスタシス」とは生理学者のウォルター・B・キャノンにより提唱されたもので、「生体の諸器官はその状態を一定に保とうとする傾向がある」という概念です。

とにかく状態を維持しようとする

ホメオスタシスは人間の心身に作用し、心や体の安定を図るため、慣れ親しんだ環境や状態を無意識に維持しようとします。

この働きがあるので、悲しいことがあっても、いっぱい泣いたらスッキリして普段の気持ちにもどったり、風邪で熱が出ても、熱が悪い菌をやっつけたらまた平熱に戻れたりします。

ホメオスタシスは生命を維持する目的で働くので、本来はありがたい機能です。

しかしながらホメオスタシスは、その維持している状態が健全なのか、それとも不健全なのかを気にしてくれません。

そのため不健全な状態でも、それが長く続くとそのままでいようとします。

無意識で維持する

このホメオスタシスは無意識で働くことが多いので、頭で変化したいと考えていても、無意識が以前と同じ行動をとらせようとします。

例えば肥満体型の方が、健康のためにダイエットしようと頭で決めたとしても、肥満体型が長年続いている場合、それが不健康であっても慣れ親しんだ状態なので、体が勝手に食べ物をほしがって、その状態を維持しようとします。

意識(頭)よりも無意識(体)の方がパワーが強いので、意識の力だけで行うダイエットは失敗に終わることが多いです。

不満だけど現状に我慢できてしまう

セラピーを受ける方のほとんどは、現状に何かしらの不満を抱えている方です。

そして多くの場合、その不満が慢性化してから、「そろそろ何とかしないといけないかも」と何かの拍子に思いたち、セラピーを受けることを決意します。

不満な状態が慢性化してしまうのは、不満ながらもその状態を我慢できてしまうときです。

冷え切った夫婦関係で例えるなら、以下のよう感じです。

『関係を良くしようと私は色々がんばったけど、相手はいっこうに変わらないので、もう何も言わないことにした。

何も言わなければあまり争わずにすむので、子供が成人するまでは離婚はしないで、このままの状態でいよう』

このような考え方は何も特殊なことではなく、変化に伴う未知の不安を受け入れるより、私たちは現状の慣れ親しんだ不満を選択しやすいです。

セラピーで取り組むこと

我慢してその状態を維持していると、やがてその状態が安定した状態と無意識が思い込んでしまいます。

いくら我慢できるからといって、それはやはり健全な状態ではないので、そのまま続けているとストレスがどんどん蓄積していきます。

そしてストレスがある点まで蓄積すると、なにかしらの症状として表面化していきます。

セラピーではクライアントが訴えるその症状を改善するために、クライアントが維持している不健全なパターンを破壊し、新たに健全なパターンを構築してそれを維持できるように支援します。

ちなみにミルトン・エリクソン博士は、このパターンを変化させるために、様々な行動課題をクライアントにだしました。

一時的な混乱

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セラピー的な介入により、不健全だけど安定している状態を壊すと、一時的にクライアントは混乱した状態を経験します。

これは新しく健全な状態を構築するために、必要なプロセスです。

部屋の模様替えをしたことがある方でしたら想像できると思いますが、使い勝手の悪くなった部屋を新たに配置換えをしようと思ったら、一度部屋の中が無秩序な状態になるのは受け入れないといけません。

セラピーを受けるときも、一時的に症状が悪化したように感じることがあることをあらかじめ知っておくのは有益だと思います。

それでも続けていく

セラピーによる混乱のプロセスは決して心地良いものではないので、クライアントのホメオスタシスが働いて、元の馴染みのあるパターンに戻ろうとします。

でも本気で変わりたいと思うのなら、その一時の混乱はなんとか乗り越えましょう。

それを乗り越えた先は、前より気分の良い状態がきっと待っていますから。

今回の記事は、セラピーを受けた後におきる揺れ戻し、「ホメオスタシス」についてご紹介しました。

まとめ

・セラピーを受けてからしばらくは気分が良いが、そのあと気分の落ち込みを感じることがある。

・健全だろうと不健全だろうと、慣れ親しんだ状態を私たちは維持しようとする傾向にある。

・セラピーでは不健全なパターンの破壊し、混乱をおこし、新たな健全なパターンの構築と維持を目指す。

・慣れ親しんだパターンが崩れると一時的に不安定になる。

・不安定になるとホメオスタシス(恒常性)が働いて、元の状態に戻ろうとする。

・確かにしばらく辛いが、新しいパターンを身につけるまで続けることが大切。

セラピストの独り言

私個人としては、不健全な安定でも、本人がそれでいいと思うなら、変える必要はないと思います。

場合によっては不健全な状態でも、いまのところその状態が最善ということもありますから。

いま問題を起こしているパターンというのは、それができた当初は役に立っていたものがほとんどです。

ただ人生の経過とともに、そのパターンでは問題が解決できなくなったので、新しいパターンを身につける必要が出てきたということです。

セラピーは魔法ではないので、何でも一瞬によくすることはできません。

人はそれなりのプロセスを踏んで変わっていくので、セラピーはそのプロセスの促進剤みたいなものです。

感情の揺れ戻しはとくにインナーチャイルドなど、その人の根本にアプローチするセラピーに起きやすいようです。

インナーアダルトとインナーチャイルドの関係性を変えようとすることが原因かと推測します。

意外とカタルシス療法的なものには、揺れ戻しが少ない気がします。

関係を変化させるというより、溜まってたものを発散させてスッキリさせるからでしょう。

場合によってはただの対処療法になるのかもしれませんが。

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